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皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
鉄工所の現場は、火花・重機・高温・重量物が日常的に存在する。
だからこそ、安全管理は全員参加の文化でなければならない。
作業前ミーティング(KYミーティング)では、その日の作業内容・危険箇所・対策を明確にする。
「昨日と同じ作業だから安全」ではない。
鉄板一枚の配置が違えば、足場も通路も変わる。
日ごとの変化に敏感であることが、事故を防ぐ第一歩となる。
熱対策:溶接作業中は鉄が数百度に達する。皮膚接触は即火傷。必ず手袋・腕カバー・遮光面を使用する。
酸欠防止:タンク・ピット内部作業では酸素濃度測定が義務。換気・連絡員配置が必須。
火花管理:火花は5メートル以上飛ぶ。周囲の可燃物を撤去し、火花養生を徹底する。
小さな油断が大事故につながる。
「確認してから動く」この一言が、何よりの安全行動である。
事故を未然に防ぐためには、「ヒヤリ・ハット」事例を共有することが重要。
「危なかった」で終わらせず、「なぜ危なかったのか」「どうすれば防げるか」を全員で検討する。
鉄工所の安全文化は、こうした日々の“共有”の積み重ねによって築かれる。
安全対策を“作業の妨げ”と考えるのは誤りである。
むしろ、安全を確保することで動線が整理され、作業効率は向上する。
整理整頓された現場ほど、動きが早く、無駄が少ない。
鉄工所における「美しい現場」は、そのまま「安全で生産的な現場」を意味する。
皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
鉄工所の品質を決定づけるのは、「つくる」工程だけではない。
むしろ、それを“どう測り、どう保証するか”が品質の根幹を成す。
鋼構造物は、最終的に橋梁・建築・プラント・機械架台などの「命を預かる構造物」として使用される。
つまり、ひとつのミスが人命に直結する。
そのため鉄工所では、JIS、ISO、建築基準法、国交省基準など、厳格な検査基準のもとで管理が行われている。
製作の初期段階で重要なのは、切断・孔あけの寸法精度。
レーザーやプラズマでカットしても、熱影響で1mm単位の誤差が出ることがある。
そのため、治具(定規)やゲージを定期校正し、基準を保つことが基本。
「工具が狂えば、製品も狂う」――これが現場の鉄則だ。
溶接部は見た目がきれいでも、内部に空洞(ブローホール)や割れがある場合がある。
そのため、目視検査に加え、超音波探傷検査(UT)や磁粉探傷検査(MT)を実施。
見えない部分まで確認することで、安全性を数値的に保証している。
検査員は、資格を持った有資格者のみ。
一見地味な作業だが、この検査データが最終的な納入証明書(ミルシート)や品質記録の裏付けとなる。
鉄は空気と水があれば必ず錆びる。
だからこそ、塗装工程は単なる“見た目の仕上げ”ではなく、構造物の寿命を左右する工程である。
防錆下地、仕上げ塗り、膜厚測定――これらを一つでも怠れば、数年後に再施工が必要となる。
品質とは、納品時の見た目ではなく、「10年後にどう残るか」で評価される。
皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
鉄工所の仕事は、一言で表すなら「設計を現実にする」仕事である。
図面上に描かれた線を、実際の構造物として立ち上げる――それが鉄工の本質だ。
しかし、その一文の中に含まれる工程の多さと、精度の要求の高さは、他のどんな製造業にも引けを取らない。
鋼材の選定、切断、孔あけ、溶接、組立、仕上げ、塗装。
一連の流れの中で、0.5mm単位の誤差が積み重なれば、数十メートルの構造物では致命的なズレとなる。
この「許されない誤差」を抑え込むのが、鉄工職人の腕であり、現場全体の品質管理体制である。
鉄工の現場でまず問われるのは「図面を読めるかどうか」だ。
CADで描かれた平面図や立体図を、頭の中で立体的に再構築できなければ、作業の方向性が見えない。
特に架台や階段、手摺などの形状は複雑で、同じ寸法でも溶接順や組立手順を誤れば、歪みや変形が生じる。
ベテランほど、図面の寸法線の背後に「溶接後の姿」を想像している。
図面を“読む”とは、単に寸法を確認することではない。
そこに込められた意図――荷重方向、取り合い条件、現場での据付姿勢――を理解することで初めて、正しい工程設計ができる。
溶接の瞬間、鉄は千度を超える高温に晒され、瞬時に膨張する。
そして冷めるときに収縮し、歪みを生む。
この物理現象を理解せずに作業を進めると、出来上がりの精度は著しく低下する。
熟練工が溶接順を組む際、あえて「逆順」で溶接を入れたり、仮付けで“逃げ”を取るのは、この熱変形を見越しての判断だ。
「溶接は鉄と会話する仕事」と言われる所以はここにある。
材料ごとに熱の通り方や収縮率は異なり、天候や湿度でも結果は変わる。
機械では補えない“感覚の補正”が、鉄工職人の価値を支えている。
鉄工所の精度は、測定機器だけでは保証されない。
溶接ビードの幅、ボルト孔の位置、仕上げ角度――どれも最終的には「手」が決める。
作業員一人ひとりの意識と習慣が、会社全体の品質を形づくる。
1mmのズレを「まあいいか」で済ませる現場に、長期的な信頼は生まれない。
反対に、「1mmのズレを修正しておこう」と全員が考える現場は、自然と信頼を得る。
鉄工所とは、精度と誇りの積み重ねの場所だ。