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皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
近年、鉄工業界は大きな変革期を迎えている。
DX(デジタルトランスフォーメーション)、ロボット溶接、3D CAD、レーザー切断機――
現場の風景はここ10年で劇的に変わった。
ロボット溶接は、安定した品質とスピードを実現し、人的ミスを減らす。
レーザー切断機は、複雑な形状を高精度で短時間に仕上げる。
しかし、機械は「図面通りにつくる」ことはできても、「図面を超えて工夫する」ことはできない。
つまり、機械化が進むほど、“人の判断力と段取り力”がより重要になる。
鉄工所の技能は、見て・触って・感じて身につく。
図面を見ただけではわからない“鉄のクセ”を体感することが、若手育成の第一歩だ。
教育のポイントは次の3つ。
まずは「安全行動」が体に染みつくまで教える。
図面理解と工具名を並行して学ばせる。
失敗を責めず、「原因を一緒に探す」姿勢を持つ。
“叱る”教育から“支える”教育へ。
これが、技能継承を成功させるためのキーワードである。
鉄工業は、AIやロボットに置き換えられない最後の「職人産業」と言われる。
なぜなら、構造物には「現場ごとの個性」があるからだ。
寸法は同じでも、溶接姿勢、風、温度、組立順――条件は常に異なる。
その都度、最適な判断を下せるのは人間の経験と勘である。
だからこそ、鉄工所の未来は“人と技術の融合”。
自動化と職人技が共存する「ハイブリッド型工場」こそ、これからの理想形となるだろう。
鉄工所の仕事は、単なる「製造」ではない。
構造物の安全を支え、社会の基盤を築く使命を持つ。
図面の線が形になり、鉄が建築物として立ち上がる瞬間。
その裏にあるのは、見えない努力と誇りだ。
鉄工業は今も進化を続けている。
変化する時代の中でも、鉄を扱う人の手と心だけは変わらない。
それが、鉄工という仕事の本当の価値である。
皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
鉄工所の現場は、火花・重機・高温・重量物が日常的に存在する。
だからこそ、安全管理は全員参加の文化でなければならない。
作業前ミーティング(KYミーティング)では、その日の作業内容・危険箇所・対策を明確にする。
「昨日と同じ作業だから安全」ではない。
鉄板一枚の配置が違えば、足場も通路も変わる。
日ごとの変化に敏感であることが、事故を防ぐ第一歩となる。
熱対策:溶接作業中は鉄が数百度に達する。皮膚接触は即火傷。必ず手袋・腕カバー・遮光面を使用する。
酸欠防止:タンク・ピット内部作業では酸素濃度測定が義務。換気・連絡員配置が必須。
火花管理:火花は5メートル以上飛ぶ。周囲の可燃物を撤去し、火花養生を徹底する。
小さな油断が大事故につながる。
「確認してから動く」この一言が、何よりの安全行動である。
事故を未然に防ぐためには、「ヒヤリ・ハット」事例を共有することが重要。
「危なかった」で終わらせず、「なぜ危なかったのか」「どうすれば防げるか」を全員で検討する。
鉄工所の安全文化は、こうした日々の“共有”の積み重ねによって築かれる。
安全対策を“作業の妨げ”と考えるのは誤りである。
むしろ、安全を確保することで動線が整理され、作業効率は向上する。
整理整頓された現場ほど、動きが早く、無駄が少ない。
鉄工所における「美しい現場」は、そのまま「安全で生産的な現場」を意味する。
皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
鉄工所の品質を決定づけるのは、「つくる」工程だけではない。
むしろ、それを“どう測り、どう保証するか”が品質の根幹を成す。
鋼構造物は、最終的に橋梁・建築・プラント・機械架台などの「命を預かる構造物」として使用される。
つまり、ひとつのミスが人命に直結する。
そのため鉄工所では、JIS、ISO、建築基準法、国交省基準など、厳格な検査基準のもとで管理が行われている。
製作の初期段階で重要なのは、切断・孔あけの寸法精度。
レーザーやプラズマでカットしても、熱影響で1mm単位の誤差が出ることがある。
そのため、治具(定規)やゲージを定期校正し、基準を保つことが基本。
「工具が狂えば、製品も狂う」――これが現場の鉄則だ。
溶接部は見た目がきれいでも、内部に空洞(ブローホール)や割れがある場合がある。
そのため、目視検査に加え、超音波探傷検査(UT)や磁粉探傷検査(MT)を実施。
見えない部分まで確認することで、安全性を数値的に保証している。
検査員は、資格を持った有資格者のみ。
一見地味な作業だが、この検査データが最終的な納入証明書(ミルシート)や品質記録の裏付けとなる。
鉄は空気と水があれば必ず錆びる。
だからこそ、塗装工程は単なる“見た目の仕上げ”ではなく、構造物の寿命を左右する工程である。
防錆下地、仕上げ塗り、膜厚測定――これらを一つでも怠れば、数年後に再施工が必要となる。
品質とは、納品時の見た目ではなく、「10年後にどう残るか」で評価される。
皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
さて今回は
鉄工所の仕事は、一言で表すなら「設計を現実にする」仕事である。
図面上に描かれた線を、実際の構造物として立ち上げる――それが鉄工の本質だ。
しかし、その一文の中に含まれる工程の多さと、精度の要求の高さは、他のどんな製造業にも引けを取らない。
鋼材の選定、切断、孔あけ、溶接、組立、仕上げ、塗装。
一連の流れの中で、0.5mm単位の誤差が積み重なれば、数十メートルの構造物では致命的なズレとなる。
この「許されない誤差」を抑え込むのが、鉄工職人の腕であり、現場全体の品質管理体制である。
鉄工の現場でまず問われるのは「図面を読めるかどうか」だ。
CADで描かれた平面図や立体図を、頭の中で立体的に再構築できなければ、作業の方向性が見えない。
特に架台や階段、手摺などの形状は複雑で、同じ寸法でも溶接順や組立手順を誤れば、歪みや変形が生じる。
ベテランほど、図面の寸法線の背後に「溶接後の姿」を想像している。
図面を“読む”とは、単に寸法を確認することではない。
そこに込められた意図――荷重方向、取り合い条件、現場での据付姿勢――を理解することで初めて、正しい工程設計ができる。
溶接の瞬間、鉄は千度を超える高温に晒され、瞬時に膨張する。
そして冷めるときに収縮し、歪みを生む。
この物理現象を理解せずに作業を進めると、出来上がりの精度は著しく低下する。
熟練工が溶接順を組む際、あえて「逆順」で溶接を入れたり、仮付けで“逃げ”を取るのは、この熱変形を見越しての判断だ。
「溶接は鉄と会話する仕事」と言われる所以はここにある。
材料ごとに熱の通り方や収縮率は異なり、天候や湿度でも結果は変わる。
機械では補えない“感覚の補正”が、鉄工職人の価値を支えている。
鉄工所の精度は、測定機器だけでは保証されない。
溶接ビードの幅、ボルト孔の位置、仕上げ角度――どれも最終的には「手」が決める。
作業員一人ひとりの意識と習慣が、会社全体の品質を形づくる。
1mmのズレを「まあいいか」で済ませる現場に、長期的な信頼は生まれない。
反対に、「1mmのズレを修正しておこう」と全員が考える現場は、自然と信頼を得る。
鉄工所とは、精度と誇りの積み重ねの場所だ。