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日別アーカイブ: 2025年11月10日

三陽鉄工所メカニック通信~6~

皆さんこんにちは!

有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。

 

さて今回は

~品質を守る~

 

鉄工所の品質を決定づけるのは、「つくる」工程だけではない。
むしろ、それを“どう測り、どう保証するか”が品質の根幹を成す。

鋼構造物は、最終的に橋梁・建築・プラント・機械架台などの「命を預かる構造物」として使用される。
つまり、ひとつのミスが人命に直結する。
そのため鉄工所では、JIS、ISO、建築基準法、国交省基準など、厳格な検査基準のもとで管理が行われている。

寸法検査と治具管理

製作の初期段階で重要なのは、切断・孔あけの寸法精度。
レーザーやプラズマでカットしても、熱影響で1mm単位の誤差が出ることがある。
そのため、治具(定規)やゲージを定期校正し、基準を保つことが基本。
「工具が狂えば、製品も狂う」――これが現場の鉄則だ。

溶接部の外観・非破壊検査

溶接部は見た目がきれいでも、内部に空洞(ブローホール)や割れがある場合がある。
そのため、目視検査に加え、超音波探傷検査(UT)や磁粉探傷検査(MT)を実施。
見えない部分まで確認することで、安全性を数値的に保証している。

検査員は、資格を持った有資格者のみ。
一見地味な作業だが、この検査データが最終的な納入証明書(ミルシート)や品質記録の裏付けとなる。

塗装・防錆処理も品質の一部

鉄は空気と水があれば必ず錆びる。
だからこそ、塗装工程は単なる“見た目の仕上げ”ではなく、構造物の寿命を左右する工程である。
防錆下地、仕上げ塗り、膜厚測定――これらを一つでも怠れば、数年後に再施工が必要となる。
品質とは、納品時の見た目ではなく、「10年後にどう残るか」で評価される。