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三陽鉄工所メカニック通信~11~

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皆さんこんにちは!

有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。

 

「人を育てる」仕事

鉄工所業の魅力は、完成品の達成感や社会的意義だけではありません。働く側の視点から見ると、鉄工所は“成長しやすい職場”であり、“手に職”としての強みを実感しやすい世界です。経験がそのまま実力となり、できることが増えるほど価値が上がる。ここには、仕事としての確かな魅力があります。

鉄工所の仕事は、知識と技術が積み上がるほど成果が出やすくなります。最初は材料の名前や工具の扱い、基本的な安全管理を覚えるところから始まります。やがて寸法取りや墨出しができるようになり、切断の精度が上がり、穴あけの段取りが組めるようになります。さらに溶接では、狙ったビードを安定して出せるようになり、歪みを抑える工夫ができるようになります。組立では直角や通りを出せるようになり、治具を考案して作業効率を上げることもできるようになります。こうした成長は、日々の現場での体験を通じて積み上がり、「昨日できなかったことが、今日はできる」という形で実感できます。この実感は、仕事を続ける力になります。

鉄工所の技能が強いのは、それが“持ち運べる”からです。鉄を扱う現場は、建築金物、プラント、製造ライン、機械設備、輸送設備など、業界をまたいで存在します。図面を読み、材料を加工し、溶接で組み上げ、現場で納める。こうした技能は、環境が変わっても活きることが多い。つまり、スキルが自分の資産になります。これは手に職として非常に大きな魅力です。社会の状況が変化しても、ものづくりの基盤がなくなることはありません。むしろ老朽化対策や設備更新が増えるほど、鉄工所の技術は必要とされます。

また鉄工所業は、資格や講習によって仕事の幅が広がりやすい世界でもあります。玉掛け、クレーン、フォークリフト、ガス溶接、各種溶接技能など、現場で必要とされる資格が多く、取得すれば任される範囲が増えます。資格があることで安全に作業できる範囲が広がり、責任ある仕事を担当しやすくなる。さらに経験が積み上がると、工程管理や現場管理、品質管理、見積や提案といった領域へも広がっていきます。現場の作業者としての熟練だけでなく、管理や提案の側へキャリアを伸ばせる点も魅力です。

鉄工所の現場は、個人プレーではなくチームで成果を出す場面が多いです。切断担当、穴あけ担当、溶接担当、組立担当、塗装担当、据付担当。現場の規模が大きくなるほど、役割分担が明確になり、連携が品質に直結します。段取りを共有し、工程を組み、互いの作業が次工程のやりやすさにつながるように配慮する。こうした連携がうまくいったとき、現場は驚くほどスムーズに回ります。そして完成した製品が現場で無事に取り付けられ、問題なく稼働したとき、チーム全体で得られる達成感は大きい。鉄工所は、協力して一つのものを完成させる喜びが味わえる仕事です。

さらに鉄工所業は、「誇り」を持ちやすい仕事でもあります。自分たちが作るものは、建物や設備の一部となり、長い期間にわたって使われ続けます。安全に関わる構造物であればあるほど、その責任は重いですが、裏を返せば社会の安全を支える重要な役割を担っているということです。街を歩けば、自分が関わった仕事が形として残っていることもあります。それは、仕事が生活のどこかに確実に繋がっているという実感につながります。目立たないが、欠かせない。鉄工所業の魅力は、こうした価値を日々の仕事の中で体感できるところにあります。

鉄工所で働くことは、単に加工技術を身につけるだけではありません。段取り力、問題解決力、安全意識、コミュニケーション力、品質への責任感など、社会で求められる基礎的な力が総合的に鍛えられます。難しい案件に向き合い、試行錯誤し、改善を積み重ねる。その過程で人は成長します。鉄工所業は、ものづくりを通じて人を育て、人生の仕事として長く続けられる魅力を持った世界です。