皆さんこんにちは!
有限会社三陽鉄工所の更新担当の中西です。
資材価格の変動:加工業ほど影響が大きい理由
鉄骨加工業は、材料比率が高い業種です。鋼材価格や副資材、燃料、輸送コストの変動は、そのまま利益に直撃します。しかも見積〜受注〜製作〜出荷までの期間が長いほど、価格変動リスクは大きくなります。⚠️
さらに、現代は“供給不安”も無視できません。鋼材の納期、板厚や規格の入手性、加工外注(孔あけ・塗装)先の混雑など、工場外の要因が工程を左右します。
納期短縮の圧力:工場のムダが一気に表面化する ⏱️
短納期案件が増えるほど、工場は“段取りの質”で差が出ます。段取りが悪いと、材料が足りない、治具が揃わない、加工順序が乱れる、探す時間が増える、段取り替えが多い…というムダが表面化し、残業と事故リスクが増えます。
逆に、段取りが整っている工場は、短納期でも落ち着いて回せます。必要なのは『先に決める』『先に揃える』『先に潰す』の 3 つです。✅
利益を崩す“5 大要因”を先に潰す
鉄骨加工で利益が崩れる原因は、概ね次の 5 つに集約されます。①手戻り(作り直し・追加加工)、②待機(材料待ち・外注待ち)、③段取り替え(工程の入れ替え)、④不良・再検査、⑤出荷・物流トラブル。⚠️
重要なのは、発生してから対処するのではなく、見積と着工前に潰すことです。変更が多い現場ほど、前提条件と変更ルールを最初に明文化しておくほど、後のトラブルが減ります。
調達と工程を“一体で管理”する:工場の現実的なやり方
対策の軸は 3 つです。①調達の前倒し、②工程の見える化、③原価の可視化。これらを別々に管理すると抜けます。だから“一体で回す”ことが大切です。✅
調達では、主要材料だけでなく副資材(溶接材料、ガス、砥石、塗料、ボルト類、マーキング材等)まで含めた標準数量表を整備し、不足ゼロで揃えます。
工程では、工場内のボトルネック(孔あけ、溶接、矯正、塗装、検査など)を可視化し、詰まりが出る前に段取り替えを計画します。『現場が詰まってから人を入れる』では遅いので、前週の時点で山を読む習慣が重要です。
原価では、手戻り時間、外注待ち時間、再検査回数、出荷トラブル件数など“利益を削る要因”を記録します。数字は責めるためではなく、改善するためのレーダーです。
物流(出荷)も工程の一部:トラブルを減らすチェックリスト
出荷で揉めると、工場の努力が一気に無駄になります。よくあるのは、部材の積み間違い、ラベル不備、番付のズレ、現場受け入れ準備不足、搬入時間の変更、などです。
チェックリスト例:①番付と積載順の一致、②必要書類(ミルシート等)の同梱、③ラベルと図面版数の一致、④搬入時間と連絡先の再確認、⑤現場ヤード条件の確認。これだけでもトラブルは減ります。✅
まとめ:段取りは“利益”と“安全”を守る技術
段取りが整うほど、残業が減り、事故が減り、品質が安定し、利益が残ります。鉄骨加工業の経営は、段取り力で守れる部分が大きい。小さな標準化から積み上げていきましょう。
次回は、DX・自動化・BIM/CIM・脱炭素など、鉄骨加工業の“未来の課題”と可能性をまとめます。
コスト上昇時代の見積:『前提条件』が利益を守る
資材価格や輸送費が動く時代は、見積の“前提条件”が重要です。例えば、
・材料支給か手配か
・変更時の協議条項
・出荷回数と搬入条件
・検査範囲と提出物
これらを最初に明文化すると、後からのトラブルが減ります。✅
工場内のボトルネックを見つける:『詰まり』の正体
工場が回らない理由は、作業者の頑張り不足ではなく“詰まり”です。孔あけが詰まる、溶接待ちが出る、矯正が追いつかない、塗装が混む、検査が不足…。詰まりは必ずどこかに集中します。
週 1 回、工程ごとの仕掛量(待ち部材の山)を見れば、詰まりは見えてきます。見えたら、段取りを前倒しで調整できます。
『探す・待つ』を減らす整理術
・材料置き場を区画化(番付・現場別で分ける)
・治具と測定具を定位置化(戻す場所があると迷わない)
・作業指示を工程順に並べる(優先順位が見える)
整理は美化ではなく、段取りそのものです。✅
出荷で失敗しない:ラベルと番付の“二重確認”
出荷トラブルは、工場内の全工程の成果を壊します。ラベル、番付、積載順、提出書類を二重確認する仕組みを作るだけで、クレームは激減します。✨
交渉が通る:見せ方テンプレ(加工業版)
・条件:短納期/変更多い/検査提出多い/搬入回数増 など
・影響:段取り替え増、手戻り増、残業増、輸送増
・追加工数:○人×○時間(根拠:過去実績)
・提案:図面確定前倒し、変更の一本化、搬入調整
・結論:追加○○円、または条件改善でコスト抑制
数字と提案をセットにすると、交渉は“対立”ではなく“共同作業”になります。✨
KPI 例:毎週見れば利益が守れる数字
・手戻り時間(時間)
・外注待ち時間(時間)
・再検査回数(回)
・出荷トラブル件数(件)
・端材ロス(kg)
“見える化”は改善の起点です。
最後に:段取りは“経営そのもの”
段取りが整うほど、残業が減り、事故が減り、品質が安定します。現場の頑張りを利益に変えるために、段取りを技術として磨きましょう。
追加:短納期に強い工場がやっている“前倒し”
短納期に強い工場ほど、前倒しの文化があります。例えば、
・外注先の混雑を先に確認する
・材料の入荷予定を週単位で固定する
・工程の山(詰まり)を前週に潰す
・変更が入りやすい箇所を先に確認する
こうした前倒しは、残業と事故リスクを確実に減らします。⛑️
追加:端材ロスを減らす“見える化”♻️
端材は積み上がるほど“見えない損失”になります。切断計画を見直し、端材をサイズ別に分類し、再利用先を決める。これだけでロスは減ります。環境にも利益にも効く改善です。
追加:工程会議で伝えるべき“加工側のお願い”
・図面の確定日を決めてください(変更は一本化)
・検査提出物の範囲を最初に合意してください
・搬入条件(回数・時間帯)を固定してください
・短納期の理由と優先順位を共有してください(段取りが組めます)
“言いにくいことほど先に共有”が、結果的に現場を救います。
追加:最後に—利益は『ムダを減らす』ことで守れる
価格交渉が難しい時代でも、ムダを減らせば利益は守れます。手戻り、待機、探す、再搬送。ここを減らす改善を続けましょう。✨
追加:現場メモが“次の利益”をつくる
当日気づいたことを 1 行で残すだけでも次が変わります。
例:『孔あけ段取り替え 2 回増→工程圧迫』、『外注待ちで溶接班待機 1.5 時間』など。
このメモが、次回の見積と改善の根拠になります。
追加:繁忙期の残業を抑える“分担”
繁忙期ほど、職長やベテランに負担が集中します。そこで、若手に“記録担当”“資材担当”“出荷担当”など役割を任せ、ベテランは品質と段取りに集中する。分担ができるほど、残業が減り、事故も減ります。⛑️
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この記事が、鉄骨加工業に携わる皆さまの『安全・品質・生産性』を同時に高めるヒントになれば幸
いです。✨